冬期湛水 投稿日 2014年12月25日

冬期湛水 のふしぎ

冬期湛水

田んぼを湖沼のようにしたい

稲 は 挺水植物 の仲間です。 挺水植物 とは「浅水に生活し、根は水底に存在し、茎、葉を高く水上に伸ばす植物」で、 イネ科 ではマコモ、アシ、カヤ、ガマなどです。 湖沼 には耕したり、 肥料 を蒔かなくてもこれらの 挺水植物 がすごい勢いで 繁茂 しています。我が家では年間を通じて、 田んぼ をできるだけ 湖沼 に近い状態に近づける為、刈り取り後、 耕起 せず、 稲株 の残 る田んぼ にできるだけ水を入れるよう心掛けています。これを 冬期湛水 と言います。

わら一本の革命

冬期湛水直後 右の写真は刈り取りが終わった後の稲株の残る田んぼに晩秋、入水し、 冬期湛水 を始めた直後の様子です。将来、肥料になる稲藁が全面に散らばり地表を埋め尽くしています。下の写真は 冬期湛水 を始めて3ヶ月半経過した2月末の田面の様子です。

2月末、 冬期湛水 で稲株や稲藁は分解・沈殿し、トロトロ層(イトミミズの糞)らしき薄い堆積物が載っています。もっと近づいて、見てみると、稲株や稲藁には藻が絡みついているのがわかります。ここ信州の伊那谷は冬の寒さが厳しく、-10℃くらいまでは気温が下がります。 冬期湛水 の田んぼも氷で覆われることがしばしばあります。暖かい地方での 冬期湛水 ほど水中での生物の働きは活発ではないかもしれませんが、沼地で落ち葉が沼底に堆積・腐葉土化していくような自然の営みが見られることは確かです。

春 3月から4月になり暖かくなってくると、冬期湛水 田の様子はどんどん変化します。下の2枚写真は田んぼ一面、稲藁で覆われた田んぼと稲藁をほとんど持ち出してしまった田んぼの4月頃の様子です。不耕起の田んぼでの 冬期湛水 では前年度の稲藁がイトミミズの棲みかとなり繁殖し、厚いトロトロ層を堆積するのだと思います。田んぼ一面稲藁だった田んぼでは完全に稲藁がトロトロ層に覆われています。稲藁をほとんど残していなかった田んぼでも前年、田んぼに残しておいた藁束の上だけは特に厚いトロトロ層の堆積があり、藁束が隠れ始めていました。