■冬季湛水とは・・・
湛水(たんすい)を辞書で調べると、「水田などに、水をたたえること。」と掲載されています。冬の間、田んぼに水をたたえておくので「冬季湛水」。その田んぼのことを「冬季湛水田」と言います。私が冬季湛水に出会ったのはある農業専門の雑誌です。冬中、稲株の残った、不耕起の田んぼに水を溜めておくと、硬い作土の上に液状性でクリーム状の土、「トロトロ層」が形成され、この層が雑草の繁殖を抑制したり、肥料のように養分も多く、少ない肥料で稲が育つというような記事でした。伊那谷の大半の地域では冬の間は農業用水路に水は通りません。幸い、我家の地区では冬でも常時、少量の水が流れている農業用水路があり、三枚の田んぼで冬季湛水が可能だったので、そのうちまず二枚で即実行しました。我家の田んぼだけが、冬中、水をたたえているので、目立ちます。おそらく、伊那谷で冬季湛水している農家はかなり少ないと思います。
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■冬
-小さな泥のボコボコ-
麦に転作していた化成肥料バリバリの田んぼで冬季湛水をスタートさせました。一年目は目標とするトロトロ層はほとんど出来ませんでした。二年目の冬、念願のトロトロ層が出来ました。真冬の水田を氷の間から覗き込むと、トロトロ層の表面にはボコボコした小さな泥の山が見られました。何か、生き物が作ったように見えましたが、こんな真冬に、しかも水の中で・・・・ありえないな! と、それ以上、調べませんでした。 |
■夏
-慣行田の土とトロトロ層の比較-
この二枚の写真は、夏に慣行田(化成肥料・農薬バリバリの田んぼ)の土と冬季湛水田のトロトロ層です。慣行田の土は固く、ボソボソで化成肥料と農薬でボロボロにされ死んだ土という感じです。冬季湛水田のトロトロ層は慣行田の土とは明らかに違い、液状性が強く、クリーム状のものでした。硬い作土の上に5〜10cmの厚さで形成
されていました。

-トロトロ層の生き物-
トロトロ層表面を観察すると、イトミミズが巣穴から体を出し、激しく揺らしていました。写真中央の三匹のイトミミズがボケて見えるのはイトミミズの激しい動きの為です。周りには姿こそ見えませんが、巣穴が無数に開いていました。冬の田んぼで見た泥のボコボコはイトミミズの巣穴だったのかもしれません。今度、冬に泥を採取して調べたいと思います。
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