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実験① お米の腐敗比較実験
― 無農薬米は「腐らず発酵する」本物の生命力 ―
青森県で“奇跡のリンゴ”を育てた自然栽培の先駆者・木村秋則さんは、著書の中で次のような興味深い実験を紹介しています。
「お米の実験をしました。有機米(新JAS法認定)と自然栽培米(無農薬・無肥料)。
結果を早く見るために、炊いたご飯をコップに入れて比較しました。
新JAS法のお米は二週間で腐敗し、下のほうからチョコレートのように溶け出しました。
一方、何も施さずに育てた我が家の自然栽培米は何一つ変わらず、やがてアルコール発酵して酢になりました。」
(引用:『りんごが教えてくれたこと』木村秋則 著)
木村さんの観察は、“自然な作物は腐らずに発酵する”という重要な示唆を与えています。
硝酸態窒素が「腐敗」の原因に?
「硝酸態窒素の問題は古くから酪農業で知られています。飼料に硝酸態窒素が高濃度で蓄積すると、乳牛が硝酸中毒を起こす。
近年では人間の食品中の硝酸塩も問題視され、ヨーロッパではすでに規制が進んでいる。」
(引用:『有機栽培の基礎と実際』小祝政明 著)
お米が腐敗しやすいのは、この硝酸態窒素の過剰蓄積が関係していると考えられます。 硝酸態窒素は、化学肥料や過剰な有機肥料によって稲に吸収され、作物内に残留しやすい物質です。
我が家で行った腐敗比較実験
木村さんの実験にヒントを得て、我が家も同様の検証を行いました。
- 試料:慣行栽培米(一般米)と、我が家の「無農薬・冬期湛水米」
- 方法:それぞれの白米をアルコール消毒した瓶に入れ、水道水を注いで密閉
- 期間:2010年2月21日〜3月7日(約2週間)
結果、慣行米は水が白濁して悪臭を放ち、明らかに腐敗していました。
一方、無農薬・冬期湛水米は琥珀色の透明な液体に変化し、酢のような香りを放っていました。



結論 ― 自然に寄り添うお米は「発酵」する
無農薬米は、微生物が自然なバランスで共存しているため、腐敗ではなく発酵の方向へ変化します。
一方で、化学肥料を使った一般米は、硝酸態窒素などが原因で腐敗しやすい傾向があります。
この違いは、見た目では分からない「いのちの質」の違いを示しています。
無農薬米は、人にも自然にも優しい“生きたお米”なのです。
