🍁秋 ― 稲刈りと次の年の土づくり

稲刈りのあとの土の再生

稲刈りが終わると、すぐに次の年の準備が始まります。
田んぼに残る稲わらを鋤き込み、発酵鶏糞を散布して土を耕します。
これは、微生物が稲わらを分解しやすくし、冬の間に「生きた土」を作るための大切な作業です。

🌿 無肥料栽培では
稲わらの分解を促す方法を変え、自然に近い形で有機物を分解させています。
土中の微生物が自ら働き、肥料を加えずとも栄養循環をつくる仕組みです。

❄️冬 ― 土を休ませ、微生物の力を蓄える

自然に委ねる「冬の田んぼ」

冬の間は田んぼを休ませ、微生物の活動で土をリセットします。
過去には「不耕起+冬期湛水(とうきたんすい)」と呼ばれる方法にも取り組みました。
収穫後、冬の間も田んぼに水を張り、自然の生き物や微生物の力でトロトロ層という肥えた土を堆積させ、雑草を抑える試みです。この方法は数年間は、除草作業がほとんど不要で、肥沃な土にはすばらしい稲が育ちました。しかし、解決しがたい大きな課題が発生し、この農法を断念しました。さて、解決しがたい大きな課題とは何か!!

この経験から、自然循環を重視した現在の方法へとつながっています。

🌱春 ― 命をつなぐ育苗と田植え

籾の芽出しからプール育苗へ

春になると、籾を水に浸して発芽を促し、育苗箱に播種します。
我が家では「プール育苗」という方法を採用しています。

プール育苗の主なメリット:

  • 水かけ作業を大幅に省力化
  • 病害虫の発生を抑制
  • 底面給水で苗が均一に成長
  • 水の保温効果で温度管理が安定
  • 水根が発達し、田植え後の活着が良好

プール育苗は「自然と機能性の調和」。
苗が健やかに育つことで、農薬に頼らず強い稲を育てる土台ができます。

☀️夏 ― 除草と水管理で稲を守る

もっとも手がかかる季節

田植え後から約1.5か月間は、除草と水管理が中心の作業です。
草が繁茂しすぎないよう、時期を見計らって除草機や手作業で草を取ります。

同時に、水位を細かく調整し、稲の根がしっかり張るよう管理します。
この工程が、最終的な食味と収量を左右します。

🍂秋 ― 収穫と籾のまま保管

鮮度を守る「籾のまま土蔵保管」

稲刈りの喜びの後、私たちはすぐに全てを玄米にはしません。
籾のまま、先祖代々の土蔵で保管し、注文ごとに必要な分だけ籾摺りします。

こうすることで、酸化を防ぎ、
「刈りたてに近い鮮度」のお米をお届けできます。

🟨私たちの栽培方針 ― 一貫した想い

無農薬・減農薬・無肥料。
それぞれの田んぼに最適な方法を選び、
「自然に逆らわない米づくり」を続けています。

🌾 四季を通して守り抜く、私たちの田んぼの物語。
実際に育てたお米を味わってみませんか?