黒ぼく土と河岸段丘の肥沃な土地|伊那市富県の無農薬米を支える土壌

黒ぼく土と河岸段丘の肥沃な土地

伊那市富県貝沼地区の田んぼは、南アルプスを源とする三峰川の河岸段丘上に位置します。
ここは標高およそ700m、日中と夜の寒暖差が大きく、黒ぼく土と呼ばれる肥沃な火山灰土が広がる土地です。
この独特の環境こそが、無肥料でも健やかに育つお米の源です。

伊那谷の三峰川が作る河岸段丘

黒ぼく土とは ― 自然の力を活かす火山灰土

黒ぼく土は、火山灰が長い年月をかけて堆積し、有機物が豊富に混ざった土壌です。
この地域の黒ぼく土には次のような特長があります。

  • 🌱 有機物が多く、肥料に頼らない生育が可能
    → 土自体が栄養をゆっくり供給し、稲の根がしっかり張ります。
  • 💧 保水性と通気性のバランスが良い
    → 雨が多い年でも根腐れしにくく、乾燥時にも水分を保持。
  • 🪱 微生物の活動が活発
    → 田植え後の分解活動が盛んで、稲の生育環境を自然に整えます。

この「ゆるやかな肥沃さ」が、富県の無農薬・無肥料栽培を支えています。

我が家の田んぼの黒ぼく土

🌱 富県貝沼の黒ぼく土が「無肥料栽培に向く」理由と他地域との違い

① 腐植(有機物)を多く含む

黒ぼく土は火山灰由来で、有機物を非常に多く含む土です。
→ 化学肥料に頼らずとも、微生物の活動が活発で、養分がゆっくりと供給される。
→ 結果、稲がゆっくりと健康に育ち、味・香り・粘りが出やすい。

② 水はけと保水のバランスが良い

黒ぼく土は多孔質構造のため、
・過剰な水をすぐに抜く(根腐れ防止)
・必要な水分はしっかり保持(干ばつにも強い)
→ 無農薬栽培では除草剤を使わずに水管理が難しいが、水分調整しやすい黒ぼく土は非常に有利。

③ 河岸段丘上という地形の特性

富県貝沼は「三峰川の河岸段丘」の上にあり、
→ 上流の清流からの地下水が自然に濾過されて供給される。
→ 下流のように農薬残留の心配が少ない。
→ つまり、「水と土の両方が清浄」という貴重な環境。

④ 他地域との明確な差別化

比較項目富県貝沼(黒ぼく土・河岸段丘)米どころ〇〇平野(沖積土・低地)
土の性質黒ぼく土(火山灰性・多孔質)粘土質・肥沃だが排水悪い
肥料依存有機物豊富で少なくて済む肥料多投入型が一般的
水質上流域・清流下流域・用水混合多
栽培適性無肥料・自然栽培に好適慣行栽培向き