無農薬米農家への挑戦|除草剤をやめた1年目の田んぼで私が「下農」だと悟った理由

無農薬米農家への挑戦|除草剤をやめた1年目の田んぼで私が「下農」だと悟った理由

「除草剤を使わなくても、お米なんて簡単に作れる」そう思っていた時期が私にもありました。しかし、20年以上続く『米農家中西』の無農薬栽培の歴史は、一面の雑草を前に立ち尽くす絶望から始まったのです。

無農薬栽培を始めた最初の年は、「除草剤を使わなければ田んぼはどうなるのか」を確かめるところからのスタートでした。
我が家の田んぼでは、無農薬・有機質肥料による栽培に切り替えた初年度、例年のように稲が育つと思っていたのも束の間、ホソバヒメミソハギが一面に繁茂しました。背丈は稲と同じほどに伸び、田んぼを見渡すと、その勢いに圧倒されるほどでした。

当時の私は、草を目の前にして何もできず、ただ立ち尽くすばかり。
農業について調べてみると、雑草に関する古い格言がいくつか残っていました。

無農薬栽培1年目の水田で稲を覆い尽くすホソバヒメミソハギの様子
無農薬栽培1年目の水田で稲を覆い尽くすホソバヒメミソハギの拡大写真

「田んぼの草は水をもって制し、畑の草は火をもって制す」
「下農は草を作り、中農は米を作り、上農は土を作り、特上農は人を作る」
「上農は草を見ずして草をとり、中農は草を見て草を取り、下農は草を見ても草を取らず」

なるほど、私はまさに下農でした。
草を見て圧巻され、何も手を打てなかったのです。
この経験が、私の「無農薬栽培とは何か」を考える最初の一歩になりました。

当時はただの失敗だと思っていましたが、この『雑草に負けた経験』こそが、今の美味しい無農薬米を作るための観察眼を養ってくれたのです。

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