伊那の自然と歩む:米農家中西 栽培記録アーカイブ

伊那の自然と歩む:米農家中西 栽培記録アーカイブ

なぜデータを公開し続けるのか

本当の無農薬米は、自然との対話から生まれます。長野県伊那市の農家として、私が2005年から今日まで欠かさず記録し続けてきたのは、言葉だけの『安心』ではなく、観察記録に裏打ちされた『信頼』をお届けしたいからです。

気象条件や土壌の変化、そして時には直面する栽培の限界。そのすべてを包み隠さず公開することが、皆様に美味しいお米を召し上がっていただくための、農家としての責任だと考えています。20年以上にわたる挑戦の軌跡を、ぜひご覧ください。

栽培記録・気象データ:年別インデックス

年度特徴(気象・作柄)解決した課題・エピソード
2026年度(予定)2018年と同じ(予定)
2025年度都合により、減反し、減農薬米に特化
2024年度都合により、減反し、減農薬米に特化
2023年度都合により、減反し、減農薬米に特化
2022年度都合により、減反し、減農薬米に特化
2021年度2018年と同じ
2020年度2018年と同じ
2019年度2018年と同じ
2018年度冬期湛水を止め、冬期複数回耕起の無肥料圃場及び、収穫後、発酵鶏糞を散布、漉き込み土ごと発酵+冬期複数回耕起の圃場クログワイの塊根死滅と緩やかな土ごと発酵と乾土効果を目的として、冬期複数回耕起
2017年度冬期湛水の限界を知り、攻めの栽培方法へ転換を決断した年クログワイは水分が多い場所を好み、寒さや乾燥には弱い。冬の厳しさを利用して雑草を叩き、同時に冬期の緩やかな分解発酵を活かした土作りを両立が課題
2016年度2015年の結果を踏まえ、無施肥の不耕起田では、代掻きを行い、田んぼの保水力を確保することを優先した。エラミミズが作る『トロトロ層』の再現と、現場主義の判断
2015年度気象の安定と「土ごと発酵」の結実発酵鶏糞と冬期湛水が繋がった、トロトロ層の驚くべき効果と、不耕起・冬期湛水田に見られた漏水の違い
2014年度用水路工事で、冬期湛水を断念した年例外的に耕起を行った年となったが、この経験を踏まえ、再び不耕起・冬期湛水へ戻すための土台づくりの一年
2013年度不耕起田でのクログワイとの全面対決不耕起栽培の難敵・クログワイとの激闘と、地力の証明
2012年度無農薬・不耕起栽培における雑草との出会い無農薬・不耕起・冬期湛水という自然循環に基づく米作りの可能性を追求する中で、クログワイという雑草の壁を目の当たりにした
2011年度すべての圃場を不耕起・無施肥へ不耕起・冬期湛水・無施肥という栽培の可能性と同時に、課題もはっきりと見えてきた。トロトロ層の形成とミミズの活動を、どのように維持し、どう強化していくか
2010年度全圃場で冬期湛水を行い、不耕起田・半不耕起田での栽培に本格的に踏み込んだ年冬期湛水と、有機物(土中有機物・発酵鶏糞)の分解が、生物の働きを通じて安定した「トロトロ層」を形成
2009年度用水路工事と短期間の冬期湛水という条件冬期湛水田に見られた藻の発生と雑草への影響
2008年度自家製有機発酵肥料の使用終了と施肥体系の変更自家製肥料からの卒業と、発酵鶏糞がもたらした驚異の抑草効果
2007年度気象の安定と「技術検証」の好機深水管理への挑戦と、冬期湛水の圧倒的優位性の再確認
2006年度「冬期湛水」の強力な抑草効果の証明冬期湛水の抑草効果と『トロトロ層』形成の原理を理解
2005年度冬期湛水の有無が病気・収量に影響を与えた冬期湛水の圃場で生育が進みやすく、イモチ病が出やすい状況となり収量が控えめとなりました。一方、冬期湛水を行っていない圃場では病気は出ませんでした
2004年度自作の有機発酵肥料を使用した無農薬米栽培手取り除草作業で苦労した年
2003年度無農薬米栽培を始めた除草もせず、雑草の繁茂に呆然とした年

独自の技術・視点から記録を振り返る

年度ごとの記録だけでなく、特定のテーマ(課題)に沿ってこれまでの歩みをまとめています。

① [圃場別の土壌特性と栽培最適化]:土壌の個性と向き合った歴史

「理想の農法」に固執せず、田んぼごとの「土の声」を聞いて栽培方法を微調整してきた記録です。不耕起+無肥料の圃場で、漏水しやすいといった個性にどう向き合ってきたか。

② [クログワイ・コナギとの戦い]:最強の除草攻略ガイド

無農薬栽培の最大の壁である「雑草」との闘争記です。雑草の生態を分析し、中耕除草機による除草、冬期湛水、乾燥などを組み合わせた中西流の対策を時系列で解説。

③ [冬期代掻きと冬期複数回耕起の効果比較]:失敗から生まれた最新栽培法

最大の失敗を隠さず、そこからどう進化したかの記録です。なぜ長年続けた「冬期湛水」をやめ、現在の「冬期複数回耕起」に辿り着いたのか、その理論を比較。