2013年の栽培記録と気象データ

【2013年】無農薬米の作柄と栽培記録|伊那谷の気象データ(農家直販)
当農家では20年以上にわたり無農薬米を農家直販でお届けし、毎年の栽培記録と気象データを公開してきました。これは、安心して選んでいただけるよう「栽培の透明性」を大切にしているためです。
このページでは、2013年の無農薬米(自然栽培)の作柄と、伊那谷の気象データ(気温・降水量・日照時間)をまとめています。農家直販ならではのていねいな栽培履歴をご確認いただけます。
伊那谷の2013年水稲作柄評価
2013年の伊那谷の気象条件は、おおむね平年並みの気温と日照、極端な異常気象の少なさが特徴でした。これにより全国的な作柄評価でも同様に大きな気象トラブルがなかったと考えられ、登熟や穂揃い、収量と品質のバランスが比較的良く確保された年であったと総括できます。
伊那谷における内陸性気候の特徴である昼夜の気温差や安定した日照条件は、登熟期間中の熟度向上に寄与し、全国的な評価と合わせても平年並み〜良好な作柄傾向を示していると言えるでしょう。
最高難度の雑草「クログワイ」の発生
ついに、除草作業で最も厄介な雑草であるクログワイが姿を現しました。
株間にツンツンと髭のように伸びた細い葉が見えるのがクログワイです。
クログワイは塊根と地下茎で増殖するため、不耕起栽培では地下で自由に勢力を広げてしまい、最も防除が難しい雑草の一つです。

未除草区との比較で見えた違い
田んぼの奥、未除草の区画を見ると、クログワイが密生している様子が確認できました。
この対比からも、クログワイが地下で勢力を拡大する雑草であることがよく分かります。
不耕起を断念し、耕起による対応
クログワイの発生が特にひどい田んぼでは、やむを得ず不耕起栽培を断念し、耕起を実施しました。
目的は、除草機による機械除草を可能にするためです。
不耕起のままでは、クログワイの地下茎や塊根に手を出せず、被害が拡大すると判断しました。
除草機による初回除草の効果
6月16日に除草機を押した直後の様子(写真左)では、一見するとクログワイがきれいに駆除できたように見えました。
しかし、クログワイは塊根から再生するため、一度の除草で完全に防除できるとは考えていません。
今後、数回に分けて除草機を押す必要があると判断しました。

6月16日と6月30日の経過比較
6月16日に除草を行った箇所と、未除草の箇所を比較すると、
除草後の区画ではクログワイの発生は明らかに少ない状態でした。
ただし、6月30日時点では、除草した箇所にも再びクログワイが見られ、
1回の除草だけでは不十分であることが確認できました。

継続除草の必要性と今後の方針
6月30日に再度除草を行った後は、クログワイはほとんど見られなくなりました。
除草機による防除には一定の効果があると判断できます。
今後も時間を置いて様子を観察し、
再生が確認された場合は速やかに再除草する方針とします。

この年のクログワイ対策から得た教訓
- クログワイは塊根・地下茎によって再生するため、1回の除草では防除できない
- 不耕起栽培では、地下で勢力を拡大しやすく、発生が進んだ圃場では、稲の作付けはあきらめ、耕起が現実的な選択肢となる
- 除草機によるクログワイ発生初期の複数回除草は、発生量を確実に減らす効果がある
- 効果を維持するには、間隔を空けず、複数回の継続除草が不可欠
- 未除草区との比較により、早期対応の重要性が明確になった
記録としての価値(補足メモ)
この年の経験から、
「クログワイは根絶を狙う雑草ではなく、密度を管理する雑草」
という認識を持つことが重要だと分かった。
不耕起を守ること自体が目的化せず、
圃場の状態に応じて耕起と不耕起を使い分ける判断が、長期的な圃場維持につながる。
圃場別栽培条件
| 圃場(正式名) | 一本松5488 | 一本松5491 | 中原5513-2 | 中原4843 | 中原8863 | 一本松5492 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 圃場 | A | B | C | D | E | F |
| 作付品種 | コシヒカリ/古代米/白毛もち米 | コシヒカリ | コシヒカリ | コシヒカリ | コシヒカリ | コシヒカリ |
| 栽培方法 | 不耕起田へ冬期湛水→深耕起→田植え→除草 | 不耕起田へ冬期湛水→深耕起→田植え→除草不要 | 不耕起田へ冬期湛水→不耕起田に田植え→除草不要 | 不耕起田へ冬期湛水→深耕起→田植え→除草 | 不耕起田へ冬期湛水→不耕起田に田植え→除草不要 | 3月/くず米散布→4月/深耕起→田植え→除草 |
| 備考 | 新規圃場 |
2013年の栽培記録
| 日付 | 作業内容 | 圃場 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2012/12/11~ | 冬期湛水 | A | 冬期湛水開始 |
| 2012/12/11~ | 冬期湛水 | B | 冬期湛水開始 |
| 2012/11/18~ | 冬期湛水 | C | 冬期湛水開始 |
| 冬期湛水 | D | 冬期湛水:未実施 | |
| 2012/11/18~ | 冬期湛水 | E | 冬期湛水開始 |
| 冬期湛水 | F | 冬期湛水:未実施 | |
| 2013/3/22~4/6 | 浸種 | 屋外 | コシヒカリ/古代米 |
| 2013/3/31~4/6 | 浸種 | 屋外 | 白毛もち米 |
| 2013/4/7 | 播種 | ハウス | |
| 2013/4/17~5/17 | プール育苗 | ハウス | |
| 2013/4/28 | 耕起 | A | 耕起:深耕起 |
| 2013/5/5 | 耕起 | B | 耕起:深耕起 |
| 耕起 | C | 不耕起 | |
| 2013/3/30 | 耕起 | D | 耕起:深耕起 |
| 耕起 | E | 不耕起 | |
| 2013/4/13 | 耕起 | F | 耕起:深耕起 |
| 元肥散布 | A | 未実施 | |
| 元肥散布 | B | 未実施 | |
| 元肥散布 | C | 未実施 | |
| 元肥散布 | D | 未実施 | |
| 元肥散布 | E | 未実施 | |
| 2013/3/17 | 元肥散布 | F | くず米散布 |
| 入水 | A | 入水:未実施 | |
| 入水 | B | 入水:未実施 | |
| 入水 | C | 入水:未実施 | |
| 2013/4/13 | 入水 | D | |
| 入水 | E | 入水:未実施 | |
| 2013/4/13 | 入水 | F | |
| 2013/5/6 | 代掻き | A | |
| 2013/5/5 | 代掻き | B | |
| 代掻き | C | 代掻き:未実施 | |
| 代掻き | D | 代掻き:未実施 | |
| 代掻き | E | 代掻き:未実施 | |
| 2013/4/13 | 代掻き | F | |
| 2013/5/18 | 田植え | A | |
| 2013/5/18 | 田植え | B | |
| 2013/5/19 | 田植え | C | |
| 2013/5/19 | 田植え | D | |
| 2013/5/19 | 田植え | E | |
| 2013/5/18 | 田植え | F | |
| 2013/5/18~9/1 | 水管理 | A | |
| 2013/5/18~9/1 | 水管理 | B | |
| 2013/5/19~9/1 | 水管理 | C | |
| 2013/5/19~9/1 | 水管理 | D | |
| 2013/5/18~9/1 | 水管理 | E | |
| 2013/5/18~9/1 | 水管理 | F | |
| 2013/5/8 | 除草 | A | 1回目 |
| 2013/5/16 | 除草 | A | 2回目 |
| 2013/6/30 | 除草 | A | 3回目 |
| 除草 | B | 除草不要 | |
| 除草 | C | 除草不要 | |
| 2013/6/8 | 除草 | D | 1回目 |
| 2013/6/29 | 除草 | D | 2回目 |
| 2013/7/14 | 除草 | D | 3回目 |
| 2013/7/15 | 除草 | D | 4回目 |
| 2013/9/1 | 除草 | D | 5回目/除草:クログワイ |
| 除草 | E | 除草不要 | |
| 2013/6/1 | 除草 | F | 1回目 |
| 2013/7/7 | 除草 | F | 2回目 |
| 2013/9/2 | 落水 | A | |
| 2013/9/2 | 落水 | B | |
| 2013/9/2 | 落水 | C | |
| 2013/9/2 | 落水 | D | |
| 2013/9/2 | 落水 | E | |
| 2013/9/2 | 落水 | F | |
| 2013/9/20~9/23 | 稲刈り | A | コシヒカリ |
| 2013/10/13 | 稲刈り | A | 白毛もち米 |
| 2013/9/24 | 稲刈り | B | コシヒカリ |
| 2013/9/24 | 稲刈り | C | コシヒカリ |
| 2013/9/24 | 稲刈り | D | コシヒカリ |
| 2013/9/24 | 稲刈り | E | コシヒカリ |
| 2013/9/15~9/15 | 稲刈り | F | コシヒカリ |
| 2013/9/23~9/29 | 乾燥 | A | 乾燥:コシヒカリを天日干し |
| 2013/10/6~10/13 | 乾燥 | A | 乾燥:白毛もち米を天日干し |
| 時期未記録 | 乾燥 | B | 乾燥:機械乾燥 |
| 時期未記録 | 乾燥 | C | 乾燥:機械乾燥 |
| 時期未記録 | 乾燥 | D | 乾燥:機械乾燥 |
| 時期未記録 | 乾燥 | E | 乾燥:機械乾燥 |
| 2013/9/15~9/23 | 乾燥 | F | 乾燥:コシヒカリを天日干し |
| 2013/9/29 | 脱穀 | A | 脱穀:コシヒカリ |
| 2013/10/14 | 脱穀 | A | 脱穀:白毛もち米 |
| 2013/11/4 | 脱穀 | A | 脱穀:古代米 |
| 脱穀 | B | 脱穀:必要無し | |
| 脱穀 | C | 脱穀:必要無し | |
| 脱穀 | D | 脱穀:必要無し | |
| 脱穀 | E | 脱穀:必要無し | |
| 2013/9/23 | 脱穀 | F | 脱穀:コシヒカリ |
2013年 伊那市の月ごとの気象データ
| 月 | 平均気温 (°C) | 降水量 (mm) |
|---|---|---|
| 1月 | -1.1 | 44.0 |
| 2月 | 0.0 | 128.5 |
| 3月 | 6.9 | 93.0 |
| 4月 | 10.1 | 128.5 |
| 5月 | 16.4 | 46.5 |
| 6月 | 20.8 | 192.5 |
| 7月 | 23.9 | 131.0 |
| 8月 | 25.1 | 150.5 |
| 9月 | 20.8 | 164.5 |
| 10月 | 16.0 | 185.0 |
| 11月 | 6.7 | 84.0 |
| 12月 | 1.6 | 35.0 |
- お米の栽培記録・気象データ一覧↗
- 2012年の栽培記録↗
- この年の経験は、その後の無農薬米栽培における栽培方法の判断に大きな影響を与えています。
→2014年の栽培記録はこちら - 2015年の栽培記録↗

